名古屋・愛知を走る奇妙な交通機関11選

愛知

どうも、てりーぬです。

大都会・名古屋を擁する愛知県には、実はちょっと変わった奇妙な乗り物がいっぱい。生まれてから18年間を名古屋で過ごした私が、全国でもここでしか見れないような光景を紹介します!

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 名古屋鉄道

日本一忙しい?名鉄名古屋駅

私鉄の中では近鉄・東武に次ぎ全国3位の路線網を誇っている名古屋鉄道、略して名鉄。その中心駅である名鉄名古屋駅には、総延長444.2kmの路線の隅々から、日中でも2分に1本という山手線を上回る頻度で電車がやって来ます。それなのに名鉄名古屋駅にある線路はたったの2本

通過型ターミナルのため駅に着いた列車はすぐに発車します。名古屋駅へ直通する電車は上下線合わせて12路線にのぼり、乗客はその行き先を瞬時に判断しなくてはいけないという、日本では類を見ないカオスさになってしまいました。その混沌を少しでもマシにするために様々な工夫がされており、例えば乗客が並ぶ列は十数通りもある行き先ごとに3つに色分けされています。

その乗車列の目の前にドアがぴったり合うように、列車ごとに停車位置が少しずつずれています。このわずかな違いに合わせて電車を停められる運転手すごい…。

さらに名鉄名古屋駅では「行き先・種別・車両数・停車位置・特別者の有無」などなど、伝えるべきことが多すぎて自動放送が使えないため、駅員が肉声でアナウンスしています。その駅員がいるこの部屋は「DJブース」と呼ばれています。笑

ダイヤモンドクロッシング!名鉄築港線

名鉄築港線とは、朝と夜にしか電車が走らない、工場勤務の方のためのレアな路線。昼間は全く電車が来ないたった1駅だけの区間の路線で、朝夕は大江駅と東名古屋港駅を行ったり来たりします。

この路線の一番の目玉は「ダイヤモンドクロッシング」というかっこいいような中二病のようなネーミングの平面交差。名鉄築港線と貨物線の線路が平面で直交しており、交差した部分がダイヤモンド型になることから名づけられました。

かつては日本全国にあったそうですが、今では”鉄道”としては日本唯一の直交ダイヤモンドクロッシングとなってしまいました。それもそのはず、線路が平面で交差してたら不便ですし、単純に危険ですよね。築港線では直行する貨物線も含めて、列車の本数が非常に少ないため現在でも残っているのかもしれません。

ちなみに”路面電車”も含めると、愛媛や高知の2か所でも見ることができます。松山の伊予鉄道では「路面電車が踏切待ちをする」という不思議な光景がありました。

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 JR東海

現役最古の駅舎がある武豊線

知多半島のつけ根に位置する大府駅から知多半島の右側を進み、武豊駅までを結ぶJR東海の武豊線。読み方は騎手の「たけゆたか」ではなくて「たけとよ」です。武豊線は港からの資材運搬のために作られた愛知県で最も古い路線。ピカピカの新型車両と往年の面影を残すホーム屋根が同時に見られます。

今となっては通勤路線として多くの利用者がありますが、武豊線が電化されたのはつい最近の2015年のこと。それまではディーゼルエンジンの通勤列車が、轟音を立てて名古屋駅まで乗り入れていたのです。笑

住宅街の真ん中にある亀崎駅では、武豊線が開業した明治19年から存在する「日本最古の現役駅舎」が令和となった今もなお活躍し続けています。

半田駅では明治43年完成の「日本最古の現役跨線橋」が線路の上に架かるなど、武豊線には多くの鉄道遺産が残っています。

 名古屋市営地下鉄

日本唯一の環状地下鉄・名城線

東京・大阪に次ぐ路線網、6路線を持つ名古屋市営地下鉄。そのうちの1つ、「名城線」は日本で唯一環状運転を行っている地下鉄。山手線や大阪環状線のように、まあるい線路をぐるぐると回っているのです。

路線図もこの通り。山手線の「内回り」「外回り」と違って、直感的に分かりやすいように「右回り」「左回り」という表現を使っています。矢印がかわいい。

日本一短い地下鉄路線・上飯田線

地下鉄上飯田線は総延長0.8km、平安通駅と上飯田駅のたった2駅だけしかない日本一短い地下鉄路線。歩いてもわずか10分程度の距離に、なぜ地下鉄路線があるのでしょうか。

それは、あとちょっとのところで途切れていた、名鉄小牧線「上飯田駅」と地下鉄名城線の「平安通駅」とのわずかな間を繋ぐため。そのため、ほとんどの列車が地下鉄から名鉄の小牧駅や犬山駅まで直通運転をしています。名鉄築港線のように2駅の間をひたすら往復しているわけではないのです。

 リニモ

日本唯一の磁気浮上式リニアモーターカー

「リニモ」とは、2005年の愛知万博に合わせて会場へのアクセス路線として開業した、「日本唯一の磁気浮上式リニアモーターカー」。リニア中央新幹線のように時速500kmが出るわけではありませんが、リニモの特徴としては浮いてるからめっちゃ静か急カーブ・急斜面も難なく走行できる加速性能に優れる、などなど実はかなりの高性能を備えています。

万博期間中は「動くパビリオン」とも評され、連日満員となっていましたが、それも今は昔。それでも今になってもモリゾーやキッコロを覚えてくれてる人がいて少し驚いています。

 ゆとりーとライン

日本唯一のガイドウェイバス

日本で初めてガイドウェイバスという仕組みを利用した路線が「ゆとりーとライン」。走っているのはれっきとしたバスですが、法律上は路面電車と同じ”軌道”扱いで、車の脇についているガイド輪で誘導されるため、運転手はハンドルを握らない!というか、実は”握ってはいけない”ことになっています。

バスは高架から降りると、ガイド輪を収納して普通の道を走ることもできます。道路の混雑が激しい場所は専用軌道ですいすいと、そうでない場所は一般の道路で地域の隅々まで、というなかなか画期的なシステムだと思いますが、ゆとりーとラインユーザーにはまだ1人しか出会ったことがありません(笑)

ちなみに道端から見上げるとこんな感じ。

 市営バス・名鉄バス

道路の真ん中にバスレーン?基幹2号系統

名古屋市営バスと名鉄バスが共同で運行し、名古屋駅や栄、市役所など名古屋の中心と名古屋北東部の郊外を結ぶ主要なバス路線が「基幹バス」の基幹2号系統。栄-茶屋ヶ坂間は市バス・名鉄バス合わせて朝ラッシュ時は毎時35本、日中でも毎時15本程度と、電車にも負けない高頻度で運行されています。

この基幹バスの特徴は、まるで路面電車みたいにバスレーンが道路の中心にあるということ。左から「直進、直進、右折、直進」と運転する側からしたら何が何だかという感じですよね。しかし名古屋ではこれが当たり前の光景なのです。

バスの停留所も道路の真ん中にあり、横断歩道を渡らなければいけないのも路面電車さながら。ちなみに背後の近代建築は名古屋市役所です。

 愛知環状鉄道

環状運転していない「環状鉄道」

岡崎や豊田、瀬戸など名古屋の東側の都市に静かに走っている路線。「愛知環状鉄道」と言いながらまったく環状運転していないというのがミソ。ユーザーには「運賃が高い」「本数が少ない」と不評ですが、赤字路線が多い”第三セクター”と呼ばれる鉄道の中で黒字経営を続けている優等生的な存在です。

 東海交通事業城北線

名古屋の市街地を走る1両のディーゼル車

1両編成のディーゼル車が1時間に1本だけ来る完全にど田舎地方のローカル線仕様の東海交通事業「城北線」。この路線がどんな山奥深いところを走っているのかと思ったら、なんと名古屋北部の住宅地のど真ん中を貫いているのです。

JR中央線と城北線の乗り換えができる(ことになっている)勝川駅は、JRの駅ホームに乗り入れ用のスペースが用意されているにも関わらず、城北線の駅は細い道を5分ほど歩いてやっとたどり着くところにあります。当然のようにエレベーターやエスカレーターもなく、武骨な階段を上らされるという不遇ぶり。城北線の不可解な点は探し始めるとキリがありません…。

 豊橋鉄道

日本一急カーブの路面電車

豊橋市内を走る愛知県唯一の路面電車が豊橋鉄道の「東田本線」。レトロな感じがあるのと同時に、低床式の最新車両も走っています。途中からは単線となり、道路の真ん中に小さな寂れた停留所があるだけという、路面電車の魅力がぎゅっと詰まった街です。

豊橋駅前から東方面へ出発すると、終点の1駅手前の井原駅で2方面へ分岐するところで半径11mで直角に曲がるという「日本一の急カーブ」が現れます。決して広くはない道に無理やり線路を造った感じがたまらないですね。

このカーブをゆく電車はまるでドリフトするみたいで、車両を滑らせて停留所へと入ってくる様子は大迫力です。

 まとめ

ということで、愛知県には意外と多くのユニークな列車があることが分かって頂けたと思います。名古屋や愛知へ来ることがあれば、交通手段にも意識して目を向けてみると面白いかもしれません!

 

愛知を素通りしていく寝台特急「サンライズ出雲」がまるで動くホテルのようで楽しかったです。

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