映画『orange -オレンジ-』の主題歌をコブクロが歌う必然性

まとめ

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2015年12月、高野苺さんの漫画『orange』が映画化されました。この映画にコブクロの新曲「未来」が起用されることとなったんですね。大のコブクロファンとしては『orange』を見るしかない!

ということで、漫画5巻すべて買い揃えて、映画も見に行きました。。笑

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一通り『orange』を見終えて思ったことがありました。それは、確かにこれは主題歌はコブクロしかないよな、ということです。1ファンとしての意見なので偏ってる部分も多々ありますが(笑)、どうしてそのように思ったのかを解説していきたいと思います!

※原作も映画も、賛否両論あると思いますが、どんな作品も同じようにあるでしょうし、この記事では純粋に『orange』を楽しんでいきたいと思います。

 

 

 

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『orange』のあらすじ

まずはさらっとあらすじを。

「26歳になった私には、後悔している事がたくさんあります」

高校二年生の春、10年後の自分から一通の手紙が届いた―――。
長野県松本市を舞台にした、眩しいほどの青春SFラブストーリー

高校二年生の春、菜穂の元に10年後の自分から1通の手紙が届いた。そこには、これから起こる未来の出来事と、自分とは同じ「後悔」を繰り返さないためにとるべき行動が書かれていた。初めはイタズラかと思ったが、書かれている事が次々と起こるので次第に手紙を信じるようになっていく菜穂。そしてこの手紙の目的が、同級生の翔を事故死から救うためだと知り、菜穂は翔を失わないために、自分を変えて未来を変えようと努力していく。
高野苺「orange」特設サイトより)

注目してほしいのは、未来の自分から手紙が届くこと。そして、「後悔」「未来」という言葉が幾度となく使われていること。この二つを鍵として、『orange』とコブクロの関係性を探っていきます。いろんな角度からコブクロの曲を紹介していきたいと思います。

(最初に断っておきますが、1ファンの完全なるこじつけです!!)

 

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曲名に「未来」が入っている曲

・未来切手(2013年 / アルバム:One Song from Two Hearts)

一番最初に紹介したいのはこの曲。この曲の中には、こんな歌詞があります。

「本当ですか? この手紙が
未来の僕に届いてるなんて。」

“10年後へ” そう書かれた
不思議な切手を見つけました

そう、これ『orange』のテーマをそっくりそのまま逆にしたようなものなんです!コブクロ本人も、主題歌の依頼が来たときは驚いたと言っていました。

実際に菜穂や須和たちが、未来切手と同じように、タイムカプセルで10年後の自分に手紙を書くシーンもありましたね。そのときの翔の手紙には、自分のことは何も書いてありませんでした。そこから「翔は本当は事故じゃないのでは?」と気づく大事な手紙です。

ほかにもこんな歌詞があります。

この夢はいつか叶うのですか?
あの子はそばにいますか?

『orange』では、10年後にはあの子はもうそばにいません。。

時を越えてく その印が
いつも いつでも 君を変えてくれる

たしかに、時を越えてきた手紙のおかげで菜穂は自分をどんどん変えていきます。

「未来切手」一曲だけでもこんなに関連性が見つかります。この曲が、主題歌「未来」に大きな影響を与えたことは間違いありません!

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・未来への帰り道(2006年 / アルバム:ALL SINGLES BEST)

離れ離れになるまえに もう少しだけ 素直になれたら
もっといっぱいの ごめんねも ありがとうも言えたのに
今ごろになって溢れ出す 涙が今 言葉に変わるよ
ほら あの日からはぐれたままの 想いを繋げて

この曲自体は恋人同士が別れた後の後悔についてですが、『orange』の翔との死別と重ねて考えると一気に重いテーマとしてのしかかってきます。。

10年後の菜穂も「もっと素直に気持ちを伝えていればよかった」「きちんと謝って、感謝も伝えていればよかった」と、何度も何度も「後悔」しています。もうやり直せないからこそ、10年前の自分に想いを託したのですね。

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・今と未来を繋ぐもの(2005年 / アルバム:桜)

この曲は非常にレアで、高1のときのライブで聴けてめちゃくちゃ嬉しかった思い出があります(笑)菜穂たちにとって、今と未来を繋ぐものは「手紙」でしたね。

はぐれはしない 僕等の未来 幾つにも重なりあうプリズム
いつか一つに 降り注ぐ場所へと どんな悲しみも越えて

『orange』では、先生がパラレルワールドについて話すシーンがありました。それは、過去・現在・未来は一つに繋がっているのではなく、いくつにも枝分かれしているとも考えられる、という内容でした。プリズムというのは、下の写真のように一つの光をいくつもの光に分けるものです。

つまり、枝分かれしているということ。主題歌「未来」では、これを木の枝に見立てています。パラレルワールド・プリズム・木の枝。この三つ、根本的にはどれも同じことを言っているのではないでしょうか?
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いつか届くと信じるだけで こんなにも素直に笑えるよ
涙の奥で溢れ出す力を どうか真っすぐに映して

続きの歌詞、これを読み解くと、翔の悲しみも乗り越えて、いつか心を一つにして笑っていたい。そのようにも解釈できませんか??こんなことを考えていると、どんどん深みにはまっていってしまいますね(笑)

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~~~追記~~~

2016年3月23日、「桜」のリリースから10年を経て「未来」でもSpring Packageが実現!10年前にリリースした「桜」のジャケットから着想を得てできた「未来」のジャケット。Spring Packageはシングル盤の「桜」よりも桜の木が鮮やかに彩られている限定生産品で、今回「未来」で復活しました。

そして、「桜」のSpring Packageに収録されていた「今と未来を繋ぐもの」が、「未来」のSpring Packageにも収録されることとなりました!『orange』と「未来」のテーマにぴったりのこの曲が10年前の「桜」に収録されていたことに、コブクロの2人もこの上なく運命的なものを感じたと語っています。


上「桜 Spring Package」、下「未来 Spring Package」

~~~さらに追記~~~

この「今と未来を繋ぐもの」が、「未来」を背負った2016年のライブツアー “TIMELESS WORLD” のアンコールで披露されました!一番いいところに持ってきたあたり、曲のメッセージ性の強さを感じます。

【ライブレポ】10/1 コブクロ"TIMELESS WORLD"名古屋3日目
10月1日に日本ガイシホールで行われた、KOBUKURO LIVE TOUR 2016 "TIMELESS WORLD" 名古屋3日目に参加してきました!去年の慶應の三田祭前夜祭以来、名古屋では"奇跡"ツアーファイナル以来のコブクロライブ!...

 

「手紙」がテーマの曲

・手紙(2003年 / アルバム:STRAIGHT)

そうです、どストレートに「手紙」という曲があるんです。「未来」リリース直前の学園祭ライブでも歌ってたから意識しまくり(?)

海外へ行く友達に宛てた手紙をそのまま歌にしたものなんですが、曲の一番最後に菜穂の手紙にも通ずるところがあったので、それだけ紹介します。

弱い自分に負けないで。

菜穂の手紙を一行で要約するとこうなるんではないでしょうか?あの頃の自分は、何事にも勇気が出なくて挑戦できなかったことを悔やんでいます。だからこそ10年前の自分にこう伝えたかったのだろうと思います。

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・願いの詩(2002年 / アルバム:grapefruits)

もしも僕があの頃の僕に手紙を
出せるならどれくらい真実で書けるだろう

はい、こちらは『orange』と完全に一致。過去の自分に真実を伝えるというのは、怖いというか、情けないというか。自分なら、そんな気持ちが生まれてくるかもしれません。でも菜穂たちは何も包み隠さず、すべてを手紙に書き記しました。それだけ翔を救いたいという想いが強かったのではないでしょうか。

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『orange』のストーリーに似てる曲

・光(2002年 / アルバム:grapefruits)

僕にできる事はただ1つ 君が
悲しみの果てに 目を閉じてしまっても
「こっちだよ」って手をたたいて
君が前を向けるように

この曲も、「未来」リリース直前のライブで歌っていました。「夢に向かわなくてはいけない時でも、どうしても何も見たくない時もあるんだなー、と。そんな時、目を閉じていても聴こえるのは音楽で、進むべき道がこっちなんだって分かるような歌を作れたらいいな、という想いが込められています。」このように小渕さんも話していました。

翔は、母を死なせてしまったという悲しみ、後悔に暮れています。自分は生きている資格はないと何度も目を閉じてしまう翔に”死”を選ばせないために、翔が道を踏み外さないように導いてあげる。そんな菜穂や須和たちの行動がこの歌詞そのものだと思いました。

 

・リンゴの花(2013年 / アルバム:One Song from Two Hearts)

最後は珠玉の一曲。小渕さんのファルセットがめちゃくちゃ美しいんです。

この曲のテーマは、いじめによる自殺。そのあとに遺された人の悲しみを綴った曲です。翔はいじめられていた訳ではありませんが、母を自殺させてしまった悲しみによって翔も自殺してしまいます。

「リンゴの花」は、母を亡くした翔の、そして翔を亡くした菜穂たちの心と通ずる部分が多くあると感じたので、最後にこの曲を選びました。

眩しそうな微笑みに 隠してた
苦しみに気付けなくて

誰よりも側にいたのに 聞こえなかった声が
掌の上で聞こえる 写真日和の春に

翔は悩み苦しんでいても、いつも笑っていました。菜穂たちは、その苦しみに気付いてあげていれば、と何度後悔したことでしょうか。毎日毎日側にいたのに、苦しみを小さくしてあげることはできなかった。弘法山へ登って翔を想いだしたあの日も、桜が咲き誇る春でした。

大好きなリンゴの花が 波打ち際に一つ
「今度ね」と 果たせなったはずの約束

翔たちにも、果たせなかった約束がありました。
春になったら桜の咲く弘法山
夏は上高地
秋はアルプス公園の紅葉
冬は雪の降る松本城へ
6人で行こうと言った、この約束が僕は思い浮かびました。遺された人が、約束の場所へ行く。『orange』も「リンゴの花」も、全く同じ。

みなさんは、リンゴの花を見たことがありますか?おそらく見たことない人がほとんどでしょう。「リンゴにも花が咲きます。小さいけれど、とても美しい花。誰にも見られないところで健気に咲く儚さ。その存在感がこの曲にマッチしたのかな…」こんな風なことを小渕さんも語っています。これは、揺れ動く翔の心とも重なるような気がします。

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まとめ

いかがでしたでしょうか!

『orange』の魅力、そしてコブクロの魅力が少しでも伝わればいいと思います。こうやって深く考えることで、『orange』がただのラブストーリーではない、様々なテーマを孕んでいるということに気付かされました。

また、『orange』のような機微な感情の変化を描いた物語は、コブクロもこれまでの曲の中で幾度となく表現してきたことなんですね。そこで、主題歌がコブクロに依頼されたというわけです。

その主題歌「未来」には、「原作とリンクしすぎて泣ける」「映画よりも主題歌のほうが泣ける」などなど様々な(?)感想を耳にします。本当に原作の内容を詰め込んだような歌詞なので、次の記事で紹介できればと思っております。

最後まで読んでいただいてありがとうございました!ぜひ実際に聖地巡礼してきたときの記事もご覧ください!

【信州松本】映画『orange -オレンジ-』聖地巡礼
どうも、てりーぬです! 今回私は、長野県の松本へ向かいました。松本といえば、このブログでも再三紹介してきた漫画で、映画化もされた高野苺さん原作の『orange』の舞台。ついにこの聖地へ来てしまいました…! 私の大好きな歌手である...

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