列車旅で行く!途中下車したい山陰本線の観光スポット16選

鳥取

みなさんこんにちは、列車旅で全国を巡っているてりーぬです。

この記事では、路線別の途中下車スポットとして山陰本線を紹介します!

山陰本線とは、京都駅から兵庫・鳥取・島根の日本海側を経由して山口県の下関駅の1つ手前までを結ぶ路線。新幹線も通っておらず、1両のディーゼル車が走る非電化の区間もあるような路線ですが、だからこそノスタルジー溢れる魅力的な場所がたくさん残っているのです。

今回は私が訪れたことのある[城崎温泉駅-東萩駅]の間で、ふらっと途中下車して行ける観光地を集めてみました!

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山陰までのアクセス

まずは山陰までの列車での行き方について、いくつか紹介してみます。

特急こうのとり

城崎温泉へ行く方法はいくつかありますが、大阪から行くなら特急「こうのとり」がベスト。新大阪が始発なので、新幹線からの乗り換えも便利です。

特急スーパーはくと

関西から鳥取・倉吉へ行くなら特急「スーパーはくと」がおすすめ。途中で通過する智頭急行線のスタイリッシュな車両で京都・大阪・神戸・姫路から山陰までダイレクトで行くことができます。

車内にも随所に工夫がみられるのがこの車両の特徴で、枕カバーに鳥取県の名所があしらわれていたり、洗面台にも地元の窯元の焼き物が使われていたりと、細部まで見逃せません。

サンライズ出雲

東京方面から米子・松江・出雲市方面へ行くときに圧倒的におすすめしたいのが、唯一の定期運転となってしまった寝台特急「サンライズ出雲」です。22時に東京駅を出発して、時間を有効活用できるという意味でもとても価値のある列車です。

そして何より乗車中の旅情は何事にも代えがたい!清潔な車内にシャワー室も整っていて、まるで動くホテルにいるような感覚を味わえます。

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城崎温泉駅

大阪や京都から特急で約2時間と程よい距離にある城崎温泉。志賀直哉『城崎にて』の舞台にもなった、1300年以上の歴史を持つ由緒正しいこの地では、駅を出ると冬の日本海の名物、カニのはさみが出迎えてくれます。

まちあるき

城崎温泉へ来たら、まずは温泉街をぶらりと歩いてみましょう。温泉街は駅からほぼ一本道で延びていて、両脇にあるたくさんの個性的なお店で食べ歩きもお買い物も楽しめます。城崎温泉では観光客を受け入れるべくキャッシュレス化が進んでいて、ほとんどのお店でPayPayが使えるのが驚きでした。
昭和レトロな面構えのお店が並んで心が踊ります。
冬に来るなら外せないのがカニ!!店先にずらっと並んでいました。

柳の木が枝垂れる大谿川は城崎温泉の代表的な風景で、夜になるとさらに幻想的に。

外湯めぐり

城崎温泉は7つの外湯があるのが特徴。それぞれ趣の異なる外湯をめぐるのも楽しみの1つで、私も1泊2日の滞在で4つの外湯に入りました。ここでもデジタル化がすすんでおり、旅館で借りたり外湯の窓口で購入できる外湯が入り放題の入浴券のバーコードを入口の読み取り機にかざすことで入湯の処理が完了します。

それにしても、三連休の昼間に訪れたらあまりの盛況ぶりで浴槽は本当に芋洗いという言葉がぴったりの地獄絵図で、入浴するのにちょっと躊躇うレベル。夜になると落ち着いて過ごせるようになったので、宿泊するなら夜に入浴するのがおすすめです。

夕方から夜にかけて、多くの宿泊客が浴衣で温泉街を歩きはじめます。見るだけでも風流な雰囲気を味わえますし、実際に着て歩いてみるのもいいですね。

浜坂駅

多くの列車で終着駅になる浜坂駅。乗り換え時間が1時間と長くなることもあるので、せっかくなら途中下車して周辺を歩いてみるのもいいですよ。ちなみにここまではまだ兵庫県です。

あじわら小径

駅から歩いて10分くらいのところにあるのは、横に小川が流れて石塀が続く「あじわら小径」。決して立派な観光地とは言えませんが、都会の喧騒から離れて心を鎮めるにはちょうどいい。

道端にはいつから使われているんだろう、今も使えるか分からない錆びついた井戸があったりと、ちょっとした遺構を探しながら歩くと面白いかも。

文明に取り残されたような、でもどこか小綺麗な寂れた町並みが、山陰の魅力でもあるのです。

鳥取駅

続いて鳥取県に入ります!鳥取県の県庁所在地の鳥取市、その代表駅が鳥取駅。大阪や岡山、島根、山口と数々の特急列車が発着します。

鳥取砂丘

鳥取と言えばやっぱり鳥取砂丘!鳥取駅から路線バスに乗って約20分で目の前はもう大きな大きな砂場が広がっています。でも「ただの砂場」ではありません。実は鳥取砂丘の地形は複雑に入り組んでいて、多種多様な表情を持っているのです。

鳥取砂丘のシンボルともいえる崖のような急斜面「馬の背」は、ぜひとも挑戦してみたいところ。この砂の斜面を登ると手の掴みどころもないし、砂の中に足がずぶずぶに埋まるしで、数多の人々の行方を阻んできました。砂漠の中の「オアシス」のような池に映り込んだ馬の背も絶景です!

馬の背を乗り越えると、目の前には日本海が見えてきます。なにもない砂の上を駆け抜けるのが気持ちいい。パラグライダーたサンドボードなどのアクティビティも楽しめるそうですよ。

鳥取城

鳥取市内の市街地には、鳥取城の跡地の石垣が幾重にも重なってそびえ立ちます。一番の見どころは「天球丸」と呼ばれる球体の石垣。石だけでこんなに精密な球体を作れることに驚きます。近くで見るとなかなかの迫力!

鳥取城には天守閣などの建造物は残っていませんが、まるで廃墟のような石垣の中をを歩いていくだけでも楽しいはず。二の丸跡からは鳥取市内を一望することができます。

鳥取に来たら、鳥取駅前のすなば珈琲も外せません。鳥取県知事の「スタバはないけど日本一のスナバはある」というセンス溢れる言葉から生まれました。鳥取は日本で唯一スタバがない県でしたが、最近ついにスタバができたことで大ニュースに。すなば珈琲はそんな大ピンチにも負けずに、今でも絶大な人気を誇っています。

倉吉駅

鳥取駅から特急「スーパーはくと」の終点まで約30分、鳥取県のほぼ中央に位置する倉吉駅に到着。ここから各観光地へは多くの本数があるバスで簡単にアクセスできます。

赤瓦・白壁土蔵群

倉吉の中心市街地には赤瓦・白壁土蔵群と呼ばれる古い町並みが広がります。その名前の通り、赤い瓦の屋根と白い壁の蔵!赤い屋根が多いのも山陰の特徴で、「石州瓦」という凍害に強い瓦が用いられています。

国の重要伝統的建造物群保存地区、略して「重伝建」にも指定されており、歴史的にも価値の高い地区です。建物のすぐ脇を流れる玉川を超すために石橋がずらっと架けられている光景がなんだかエモい。

多くの歴史的な建物が今もなお現役で使われています。 たくさんの人が訪れる観光地として賑わいを見せ、地酒や醤油、伝統工芸品など、地域の特産品を扱う様々な店舗が軒を並べているのでまちあるきを楽しめますよ。

鳥取二十世紀梨記念館

倉吉市の公共施設が集まる「倉吉パークスクエア」。大きな木造のトラスが美しい!これを見るだけでも十分価値がありますが、今回の目的はこの施設内にある鳥取二十世紀梨記念館「なしっこ館」です。

入り口を入ると大きな大きな「二十世紀梨の巨木」が目に飛び込んでくるなしっこ館では、梨の栽培の歴史について見て食べて楽しく学ぶことができます。

クイズを解きながら館内を一周すれば、今日からあなたも梨博士。鮮やかな梨の展示物があったり、梨の食べ比べができるコーナーもありますよ!

三朝温泉

世界屈指の高濃度のラドンを含む放射能泉が湧くという三朝(みささ)温泉。新陳代謝が活発になる「ホルミシス効果」があるそうで、なんと吸うだけでも効果があるのだとか。「三朝温泉の由来は三たび朝を迎えると元気になることから」と倉吉駅から旅館までの送迎バスのおじさんが教えてくれました。

今回は「依山楼 岩崎」という旅館に宿泊しました。回遊式大庭園露天風呂「山の湯」では、様々な趣向を凝らした12の浴槽を広々とめぐることで体の芯まで癒やされます。 ラジウム温泉って特徴的な色や匂いを想像してたのですが、見た目も匂いも普通のお湯と変わらないんですね。

そして冬の山陰の楽しみはやっぱりカニ!夕食はカニ刺し、カニしゃぶ、そしてとどめに姿蟹一杯と、カニ料理づくしのカニのフルコースで死ぬほどカニを食べて、もう昇天するほど幸せでした…!

昭和レトロの香りが漂うちょっとした温泉街もあるので、ぶらっと歩いてみるのもおすすめです。

松江駅

ここからは島根県に突入。島根県の県庁所在地であり、山陰随一の都市である松江へ。山陰本線の松江駅には各方面から様々な列車がやって来ます。

松江城

松江へ着いたら、何はともあれ松江城へ。松江駅からは徒歩で30分と少し離れていますが、バスも多数出ているので安心です。松江城は国内で12しかない現存天守の1つで、国宝にも指定されているとても貴重なお城です。

天守閣は元々住むための場所ではないので、中は木の柱や梁が剝き出しのとても無骨で質素な造りとなっています。

お城の周りの街並みも、城下町の雰囲気を感じられるのでおすすめ!北側のお堀では「堀川めぐり」といって、マングローブみたいな堀の中を小さな船で進みます。見てるだけでもとても風流な風景です。

北側の通りは、古い武家屋敷が当時のままの姿で残っている「塩見縄手」という通り。おしゃれなお店もいくつかあるので、休憩したりショッピングしたりするのもいいですね。

玉造温泉駅

夜は松江市郊外にある玉造温泉へ。松江駅から2駅で、二重の屋根がかわいい駅舎が出迎えてくれます。

玉造温泉

ここ玉造温泉はなんと、日本全国の温泉をランク付けする温泉総選挙2016最高賞を獲得した、とても評価の高い温泉地です。温泉街までは少し距離があるので、各旅館がそれぞれ駅まで迎えに来てくれます。

宿にはおしゃれな「色浴衣」が置いてあるところが多いので、かわいい浴衣を着て温泉街を歩くのもきっと楽しいです。この地で昔から作られている「勾玉」や「因幡の白ウサギ」が色々なところにあしらわれていておしゃれ。きれいな街並みの夜景が最高に映えます!

疲れたら足湯で休憩しましょう。「美人の湯」とも言われる玉造温泉の温泉は、まるで化粧水のようなとろっとろの泉質なのです。もちろん宿のお風呂も最高に気持ちよくて、湯上り後はもうお肌がぷるっぷるになりました。

旅館で過ごす時間も大切にしたいところ。今回宿泊した「白石家」の夕食は、地元の食材がふんだんに使われた懐石料理でした。カニ、しまね和牛、のどぐろなど高級食材のオンパレード!なんて幸せなんだ~~

今のところ私の中の「行ってよかった温泉No.1」は圧倒的に玉造温泉です。「泉質・料理・街並み」のすべてに大満足で、心の底からおすすめしたい!

 

出雲市駅

温泉でパワーを補給したら、縁結びの神様を祀る出雲大社へ。JRの出雲市駅で乗り換えられる一畑電車の「出雲大社前駅」が最寄り駅です。途中の川跡駅で乗り換えが必要で、一斉に3方面の列車が到着するので乗り間違えないように!

出雲大社

出雲大社は、10月になると全国から八百万の神様が集まって来るという超絶パワースポット。島根県以外は神様が留守になるため10月は「神無月」と言いますが、出雲大社のある島根県だけは「神在月」と呼ぶそうです。

真っ先に見えてくるのがこちらの「拝殿」。出雲大社のシンボルとも言える太くて大きなしめ縄が特徴的です。神楽殿にある最も大きい「大注連縄(しめなわ)」は長さ約13m、重さ5.2tにも及び、なんとこの大きさを手作りで作っているのだとか。

建築的要素もたっぷりで、社殿は出雲大社の名を冠した「大社造」という日本最古の神社建築様式で建てられています。屋根の頂上にある「鰹木」と言われる2つのばってんと、バズーカのような3つの「千木」も特徴的ですね。

本殿の裏側には可愛らしい白ウサギがいました。縁結びの神様と言われる「大国主命」が助けたという「因幡の素兎(いなばのしろうさぎ)」として古事記から語り継がれ、境内には46羽もウサギがいるそうです。

正面の鳥居から真っすぐと続く参道では、ご当地グルメやおしゃれなお土産店など歩いて楽しめます。割子というお皿が重なって出てくるのが特徴的な「出雲そば」は三大そばの1つ。また、ぜんざい発祥の地であると言われる出雲の「出雲ぜんざい」も有名です。

稲佐の浜

出雲大社の周辺にも様々な魅力があります。その1つが、出雲大社の西側の海岸にある稲佐の浜。広い砂浜、青く澄んだ大空の中にぽつんと佇む岩と小さな祠が神々しい。「神在月」になると、神様はまずこの砂浜から上陸するそうです。

ここは神迎えの道という、稲佐の浜に上陸した神様をお迎えする道。何の変哲もない閑散とした住宅街の路地ですが、「神在月」になるとこの一帯が歓迎ムードになるそうです。古い家と細い道、そして青い海と空がノスタルジックで美しい。

仁万駅

出雲市からさらに西へ行くと、一気にローカル線感が増してきました。山陰本線の普通列車で1時間ほど進み、大田市に位置する「仁万駅」で途中下車してみます。

仁摩サンドミュージアム

駅のホームからは早速遠くにとんがりコーンみたいな不思議な建物が見えますが、徒歩10分でたどり着くここは「仁摩サンドミュージアム」。『砂時計』という映画の舞台にもなったことでご存知の方もいるかもしれません。

1番メインの空間にあるのは世界一大きな大きな砂時計。「砂暦」と呼ばれるこの砂時計ははちょうど1年間で砂が落ちるように制御されており、1年に1度上下をひっくり返しているのだとか。全体に広がる青空とドームに注ぎ込む光、そして骨組みと機械仕掛けの砂時計のコントラストが美しい!

「砂博物館」ということで、館内には様々な砂時計が展示されています。様々な体験をしながら、砂について楽しく学べます。大人は入館料700円で、毎週水曜日は定休日なのでお気をつけて。

温泉津駅

山陰本線・仁万駅のさらに西の温泉津駅にあるのは温泉津(ゆのつ)温泉という不思議な読み方の温泉。決して知名度は高くありませんが、実は日本最大の銀山である「石見銀山」とともに世界文化遺産に登録されています。

温泉津温泉

駅から10分で行ける温泉津温泉の温泉街は、「世界遺産」という堂々たる肩書きとは裏腹になんともひなびた様子。昔ながらの建物が数多く残っていることから、倉吉の白壁土蔵群と同様に「重伝建」にも指定されています。往時の面影をそのままに、時代に取り残されてしまったかのよう。

温泉街を歩いているとぱっと目に入る「薬師湯」という外湯は、全項目が最高評価という素晴らしい泉質で、しかも自然湧出の源泉かけ流しという大変貴重な場所です。浴室は決して広くはなく、ぬめっとした褐色の成分がこびりついた丸い湯舟が1つあるだけのシンプルなものですが、いかにも「湯治に来ました」って感じで悪くない。

ぱっと目を引く特徴的な外観が目印で、夜の街明かりもとても素敵でした。薬師湯のとなりの旧館は大正ロマンの雰囲気たっぷりの木造建築で、ノスタルジックな温泉街の街並みによく溶け込んでいます。旧館は現在はカフェとして営業しているそうです。

東萩駅

最後は山口県のをご紹介します。温泉津駅から山陰本線の普通列車で3時間半という長い時間をかけて東萩駅に到着。萩の代表駅はなぜか「萩駅」ではなくて「東萩駅」です。

松陰神社

萩に来たら外せないのが、吉田松陰が祀ってある松陰神社。高杉晋作や伊藤博文など、幕末において数々の偉人を輩出した松下村塾も松陰神社境内にあります。

この小さな小屋が松下村塾です。建物の中はごく普通の民家のような感じ。歴史はこの地から動いたんだなぁ、と考えるとなんだか感慨深いですね。

松陰神社の目と鼻の先には、初代内閣総理大臣として有名な伊藤博文の別邸があります。入場料100円が必要ですが、中はとても綺麗なのでおすすめです。

萩城下町

レンタサイクルで萩市街地を越えて、萩城の城下町エリアに来ました。古くからの建物や町筋がそのまま残り、高杉晋作や木戸孝允ゆかりの地もある歴史薫る街並みです。 

お城に近づくと塀と生垣は石垣に変わり、さらに重厚で画一的な雰囲気へと変わります。東西南北に真っすぐに伸びる道によってできた、碁盤の目のような街並みも城下町の特徴ですね。

冬から春にかけては夏みかんが見ごろ(夏とは?)。まちの至るところに鮮やかな夏みかんが実る風景も萩の特徴です。

車窓も楽しんで

ということで、兵庫県から山口県までの山陰本線沿いの見どころをまとめてみました。ふらっと途中下車して行ける、歴史や自然があふれる場所がこれだけたくさんあります。山陰の素晴らしさがもっと広まるといいな!

最後に、ぜひ移動する時間も楽しんでください。山陰本線は海や湖のすぐ近くを通っているので、車窓から移り変わる風景を眺めているだけでも旅情を味わえますよ。

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