【西日本放浪記2】ローカル線で訪ねる最後の清流・四万十川

高知

前回は、大分から「宿毛フェリー」に乗って四国へ渡ってきました。

【西日本放浪記2】大分→高知 真夜中の宿毛フェリー乗船記
ここまで宮崎と大分を旅してきました。次の目的地は四国!九州と四国って意外と近いんですよ! 僕が以前四国に訪れたのは、寝台特急「サンライズ瀬戸」に初めて乗車したとき。 そのとき訪れたのは東半分の香川と徳島だけで、愛媛と高知...

今回は四国最南端の駅、土佐くろしお鉄道宿毛(すくも)駅から始まる列車旅をお届けします!

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特急「南風」

宿毛駅から特急「南風」に乗車。ちょうどいい時間の列車が特急しかなかったんです。。四国ではどうしても特急にお世話になりがち。

誰もいない車内。

比較的新しい路線なので、真っすぐな線路が続きます。

中村駅の手前で四万十川を渡ります!

そして中村駅に到着。

 

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ブルネル賞受賞 中村駅

一見ごく普通のローカル線の駅なのですが、ここ中村駅は数々の賞を受賞した世界から注目を受ける駅なのです。

「鉄道関連では唯一となる国際デザインコンペティション(Wikipediaより)」のブルネル賞優秀賞、グッドデザイン賞をはじめ、国内外の賞をこれでもか!というほど獲得しています。何の変哲もないローカル線の駅がこれだけの賞を取るなんて、もはや神々しい。。
・ワットフォードグループ ブルネル賞2014 優秀賞(オランダ)
・グレート・インドアーズ・アワード2012 最終5選(オランダ)
・日本産業デザイン振興会 グッドデザイン特別賞2010 中小企業庁長官賞
・公益社団法人 土木学会 デザイン賞 2012 最優秀賞
・国土交通省 第9回日本鉄道賞特別表彰 地方鉄道駅舎リノベーション賞
・高知県建築設計監理協会 高知県建築文化賞 審査員特別賞
・NPOキッズデザイン協議会 第5回キッズデザイン賞
・日本商環境設計家協会 JCDアワード2010 新人賞
・木材活用コンクール 最優秀賞 林野庁長官賞
・日本サインデザイン協会 SDA賞2010 入選
・社団法人鉄道建築協会 鉄道建築協会賞
・公共の色彩賞 10選 入選
・照明学会 照明普及賞

評価されたのは、リノベーションによってローコストでありながらも魅力的な空間を創出し、ローカル線の鉄道駅の未来を提案した点。駅をたった3000万円で改築したというのだから驚き!

Nakamura station 土佐くろしお鉄道中村駅 | ICHIBANSEN イチバンセン

まず、駅に改札はなく、利用客は自由に駅舎とホームを行き来できます。ホームを挟んで反対側には四万十川の支流が流れとても開放的!

待合室にはふんだんに地産のヒノキが使われ、温もりの溢れる空間になっていました。中村駅に来る電車は1時間に1,2本程度。必然的に長くなってしまう待ち時間を楽しく快適に過ごせるように、という想いが込められています。

通学で利用する高校生が勉強できるスペースに、とも考えらえれています。たしかに、近くにこんな素敵な場所があれば嬉しいですね。

ホームでは広い土地を活かして、贅沢に木材が使われたベンチがずらりと並んでいて、楽しく列車を待つことができました。

 

四万十川サイクリング

さて、駅だけに留まっていてももったいないので、レンタサイクルを借りるために観光案内所へと向かいます。

徒歩10分弱で到着。

とても優しいおばさんが対応してくれて、自転車を借りると同時に大きな荷物も置かせていただきました!ただ5時間で1000円はちょっと高いかな。。

オススメ観光ルート(レンタサイクル) | 一般社団法人 四万十市観光協会

ひとまず川沿いを目指す!先ほど列車で渡った四万十川まで自転車で5分ほど、深紅の鮮やかな「赤鉄橋」へ。

爽やかないい天気!

そして美しいエメラルドグリーンの水!

当初の予定では、堤防の道を遡って四万十川の名物「沈下橋」を見に行くつもりでした。しかし、ここから最も近い佐田沈下橋でもここから片道30分ほど。

冷静に考えて、変わり映えのしない景色の中で往復1時間も自転車を漕ぐのって、爽快感は味わえそうだけど、すぐに飽きてしまいそう。睡眠不足で体力もないし、虫も出そうだし←

そんなわけで、目的地を変更して、近くにあって面白そうだった「トンボ自然公園」へ。

公園の中にある施設「四万十川学遊館」は入館料860円。ちょっと高いかな、、とは思いましたが、ここまで来て引き下がれない。

トンボ王国
清流四万十川が流れる四万十市にある【四万十市トンボ自然公園】。ここは世界初のトンボ保護区であり、日本一の77種のトンボに出会える自然公園です!併設する「学遊館(あきついお)」ではトンボ館とさかな館(水族館)があり、世界・日本・四万十市のトンボやさかなを見て学ぶことができます。

施設の中は「とんぼ館」と「さかな館」に分かれています。とんぼの写真を全く撮っていないのが悔やまれるところですが、、日本各地、世界各地の珍しいとんぼの標本がたくさんあって、ここに通えばとんぼ博士になれること間違いなし!

この施設でとても感心したのは、自然のリアルを教えてくれること。ただ「自然が豊か!」だけではなく、迫ってくる脅威に対して危機感を持って現実的に考えていました。

さかな館では写真をいっぱい撮っていました。笑

一面に並んだ水槽には、世界各国から集めた珍しい水生生物がたくさん泳いでいます。
 

脇に書かれた魚の説明も興味深く、思わず読み入ってしまいます。こちらは長い間光のない地下水で暮らしていた結果、目が失われた魚。さすがに怖い。。

外には、地域ぐるみで維持管理されているビオトープがありました。

池を覆うスイレンは繁殖力が強すぎるので、冬になるとスタッフ総出で根を引き抜く作業を行っているのだとか。

その後、再び四万十川を越えて中村駅方面へと戻ります。

 

四万十川の車窓風景

スタッフに「もういいんですか?」と怪しまれながらも1時間半で自転車を返したら、普通窪川行きに乗車。

終点の窪川駅でJRと合流します。

ここにもなにか綺麗な公共施設が。

列車を待っている間に観光列車「しまんトロッコ」号と出会いました!

その隣、予土線直通の普通宇和島行きに乗ります。

なんか変なカッパがいるんですけど…。。しかもこいつ、前を人が通ると認識して話しかけてくるから厄介。笑

窪川駅の隣、若井駅を過ぎると、JR予土線と土佐くろしお鉄道中村線の分岐で列車の交換待ち。真っすぐ伸びる左側の線路が宇和島方面の予土線、右へカーブしていくのが中村方面の中村線です。

通り過ぎたのは宇和島方面から来た予土線の普通窪川行きでした。

ちなみに、右側へカーブしていく線路はこのあとトンネルに入り、大きなループを描きます。まあ、ほぼずっとトンネルなのでループ感はあまり楽しめません。

そして、ここからはひたすら四万十川との並走が続きます。この景色を見ないのはもったいない!車窓からはもう目が離せないですね!
 

後ろの方に水面にとても近くて低い橋が見えました。そう、これが沈下橋です!増水時には水面の下に沈むことからこう呼ばれています。道幅も狭くガードレールなんかもないのに、地元の人は普通に生活道路として車で通るらしいので驚き…!

四万十川には本当に多くの沈下橋があり、列車の中から見ているだけで何度も目にしました。増水時には使うことはできないものの、全長が短くて済み構造も簡単で、費用が安く抑えられるというメリットがあるのだとか。

こちらは普通の大きな橋の奥に沈下橋が架かっています。

今度は沈下橋を囲んでキャンプをしていました。楽しそう~!

 

最後に、こちらをご覧ください。一瞬目を疑ったかもしれませんが、知る人ぞ知るはげ駅。れっきとした駅、僕が写しているのは真実です!

以前までは「半家(はげ)駅・高知県→増毛(ましけ)駅・北海道」という増毛ツアーなるものが一部の頭が寂しい人々に人気を博していましたが、2016年12月に増毛駅は廃止となりもうそれも夢の話。

思わず叫んでしまいそう。…このはげー!!!

このあたりで四万十川の本流とは別離。予土線も愛媛県へと入っていきます。

 

最後の清流・四万十川を擁する高知県。中村駅ではレンタサイクルで壮大な自然を身をもって体感することができ、予土線では約1時間もの間清らかな流れを眺め続けることができます。

川を見るのが大好きな僕にとってはとても幸せな時間でした。今まで乗ってきた路線の中ではトップクラスでよい眺めだったと思います!

次回はインスタ映えする絶景、下灘駅の夕日をお届けしたいと思います!お楽しみに!

【西日本放浪記2】海に一番近い駅?「下灘駅」の海に沈む夕日が絶景だった
前回、高知の四万十川を訪れました。 今回は列車を乗り継いで、とある絶景スポットを訪ねます。 鉄道ファンだけでなく、多くのインスタグラマー達が集うインスタ映えスポット、青春18きっぷのポスターにもなったことでも有名な下灘駅...

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