山梨ドライブの途中、一直線に延びる山梨リニア実験線をくぐりました。次の行先に迷っていた僕たちはそこへ目的地を設定することに。
その実験線では、隣接した「リニア見学センター」で文字通りリニアを見て学ぶことができます。名古屋ではリニアができる10年後に向けて街全体が盛り上がっている最中。鉄道ファンとして、名古屋人として、一度は見ておきたかったんです!
とは言え、どれだけ関心のない人でも、ここに来たら少なからず驚くことはまちがいなし!そんなリニア見学センターの様子を、興奮気味にお伝えしたいと思います!
ここで一応リニア中央新幹線についておさらいしておきましょう。
リニア中央新幹線とは、輸送量が逼迫し、老朽化もしてきた東海道新幹線のバイパス線として計画されたもので、東京から大阪までほぼ最短距離で結びます。そのうち、2027年には東京-名古屋間が先立って開業する予定で、新幹線で約1時間40分かかっていたところをリニアだとなんと40分!まさに夢の超特急!
このリニアモーターカーは磁気浮上式と呼ばれるもので、その名の通り磁石で浮いて走ります。営業時の最高時速は、新幹線より約200kmも速い時速500km!試験走行では時速603kmを記録し、ギネスにも認定!まさに世界に誇る最先端技術です。
中央新幹線の計画自体は実は半世紀前から考えられており、2005年の愛知万博でもリニアが展示されていた記憶があります。去年ついに工事も始まり、いよいよあと10年か…、という感じ。愛知県には、その万博の際にできた磁気浮上式のリニアモーターカー「リニモ」が現在も走っています。
【県内完乗記念】愛知県の鉄道乗りつぶしの軌跡
それでは、実際に走っているリニアを見ていきましょう。
この一直線に伸びる高架橋が山梨リニア実験線!ここでリニアモーターカーが試験走行をしています!
僕たちは、そこに併設されている「山梨県立リニア見学センター」へ行ってきました。
入り口で入場券を買っていると、どうやらリニアが通過したよう。見逃した僕たちは「あー!」「まじかー!」と嘆いていましたが、係員の方に「この後何回も走るので大丈夫ですよ」となだめてくれました。
一日に数回程度しか走っていないと思っていたので、それを聞いて安心です(笑)
入場して真っ先に目に入ってくるのは、この先頭車両。今では使われていない形式ですが、右下の銀色の大きなリニアモーターをじっくり観察することもできます。
館内は三階建て。車両が置いてあるのは一階で、続いて二階に上がってみます。ここは、小さなリニアに乗ることができるコーナー(乗ってません)。
壁をよーく見ると、名古屋の街並みが描かれています!こういうところにいちいち感動できるので名古屋民にはおすすめ(笑)
四角のコイルがずらっと並んでいて、これがN,S,N,S,,,と交互に替わることによって推進力を得ているのだとか。
するとここで、「まもなく、リニアが通過します」というアナウンスが。通過間際になると、このように教えてくれるので落ち着いて館内を見学できます。
ということで、線路の真横に設けられた見学デッキへ。二階は、このようにネットが張られていて、走行音が
トンネルの中からもうすでに音が聞こえてきます。カメラを構えてじーっと待つこと10秒。ついに、リニアが顔を出した、、!
これはやばい!!何がやばいって、速さと音と振動すべてがやばい!!!(ボキャ貧)
まず、当たり前ですがめちゃくちゃ速い!一瞬で目の前を通り過ぎて行きました。時速500kmって本当にすごい。。
音もこれがまたものすごい!まさに轟音!!リニアって浮いているから静かそうなんですが、500kmともなると風切音だけでこれだけの音になるそう。リニアが新幹線と同じ速度で走ったら走っているのか分からないほど静かなんだとか。
さらに振動まで!リニアが通った瞬間、建物はおそらく震度2くらいの揺れは観測してると思います(笑)
初めてリニアを生で見ることができましたが、二人とももう興奮状態!これはどんなに興味ない人でも絶対に無反応ではいられないと思います!
さて、次にリニアが通過するまで今度は三階へ行ってみます。壁のデザインとかがいちいちスタイリッシュでむしろ憎いぐらい。笑
意外とすぐリニアが来るみたいなので、こんどは三階の見学スペースで見ます。このようにガラス張りになっていて、二階よりも写真が撮りやすいですね。
今度は左手方向、トンネルじゃない方から走ってきます。シャッタースピードを最高にして、ひたすら連写!
速すぎてなかなか難しい(笑) でもこれだけ間近で見れるということは伝わったのではないでしょうか!
見学スペースには、リニアが今どこにいるか分かる液晶が取り付けられています。
42.8kmの実験線をひたすら往復しています。一度行ってしまっても5分~15分後にはもう帰ってくるので、やっぱりリニアのポテンシャルは恐ろしい。。
三階には他にも様々な体験スペースがあります。レバーをぐるぐる回すと、、
同じ三階にジオラマの展示があるのですが、これがなかなかすごい!というか、かなりお金かけてるなーって(笑)
この見学センターが山梨県立ということで、山梨県の鉄道網が再現されています。真ん中の鉄橋がリニア実験線。
リニアの山梨県駅。まだ正式名称は決まっていないので、このような表記になっています。
どういう仕組みか分からないけど、手前のバスも走ってるんですよ!なんかかわいかった。
こういう細かいところまで作り込まれているのがいいですよね(笑)
日本一高いところを走る「小海線」も一瞬だけ顔を出していました!
日本一高い駅・野辺山と鉄道最高地点
1日数回の実演が行われるそうなので、二階へ移動。そこにはジェットコースターのようなコースが。
詳しい説明は省きますが、レアアースを砕いて焼いた特殊な石を超電導状態にして特殊な磁石のレールに置くと、ご覧の通り浮くのです!
ゴオオオオオオオオ……。石の下に出てるけむりは液体窒素の冷気です。
指でちょっと押すと、レールの上を面白いように転がっていきます。石もレールもとても高いので、こんなに大規模にやっているのはここぐらいなんだって!お金持ちぃ~!
一通り館内を見終わったので、最後はひたすらリニアの写真を撮っていました。動く被写体にピントを合わせることで疾走感を出す「流し撮り」にいそしんでいたのですが、やっぱり速すぎて難しい。。
気づいたらあっという間に閉館時間のpm5:00。すごい適当に選んだ行先でしたが、めちゃくちゃ楽しかったです。来てよかった!
寝台特急がことごとく引退するなど、古き良き日本の鉄道文化が失われていくことにすごく寂しく感じていたのですが、実際に目の前でリニアを見ることができて、現在進行形の最先端の技術を見届けられているのは幸せなんだな、と思いました。
自分も変化する時代の中にいるんだ、50年前に夢の超特急が走り出した時と同じような感動を今でも味わうことができるんだ、そんなことに気づかされました。過ぎてしまった時代に戻ることは絶対にできないので、今を大事にするしかないですね!
東京-名古屋間が完成する2027年までもうあと10年。何十年も前から構想されていただけに、もうここまで来たのか!と実感します。10年後が待ちきれない!
こんな感じで、ドライブにもぬかりなく鉄道要素を詰め込んだてりーぬでした。それでは、次回もお楽しみに!