みなさんはコンパクトシティという言葉を聞いたことがありますか?
コンパクトシティとは、その名の通り「コンパクトなシティ」のこと。(何の説明にもなっていない)
もう少し詳しく言うと、「住む場所や必要な施設などを一つの場所に集めて、効率よく便利に暮らそう」という考え方です。
では、なぜ富山でコンパクトシティなのか?
それは、富山は全国屈指の超車社会で、大型ショッピングセンターの登場などもあり都市が郊外へと無秩序に拡大していく状態でした。広い面積の割には人口が多くない富山市は郊外の道路などのインフラ整備の負担が大きく、このままだとまちがもたない危機的状況にあると判断されました。
そこで、中心部に公共投資を集中させ、住民にとっても便利で住みやすく、行政にとっても効率的な運営ができるというメリットがあるコンパクトシティ政策をはじめました。北陸新幹線開業を契機に富山駅を中心としたまちづくりを進め、近年その成果が徐々に形になってきています。
今ではコンパクトシティの先進都市として数多くの論文で取り上げられ、世界中からも注目を集める富山。観光地としてはあまりメジャーではありませんが、美しい富山のまちなみの魅力をご紹介します!
富山駅
富山を訪れた場合まず最初にたどり着く、富山の玄関口である富山駅。「観光スポット」とは言えないかもしれませんが、県内外の多くの人々が利用するコンパクトシティの核として最も大事な場所です。
駅舎は北陸新幹線の建設時に高架化されたばかりの新しい建物で、綺麗で立派な駅の中を冒険してみるのも楽しいですよ。
富山駅に乗り入れる電車の中で、注目すべきは路面電車。電車の真下に路面電車のホームがあるので、乗り換えがスムーズでとても便利!
いずれは、この後紹介するライトレールの線路がこの場所まで延伸され、直通運転することでさらに便利になる予定です!
路面電車
富山の市街地を駆け抜ける、富山地方鉄道の路面電車。3つの路線があり、かなりの本数が走っています。まちなかの移動にとても便利!
3つの路線のうちの一つが、コンパクト化推進のために新たに作られた環状線。「セントラム」と名付けられたこの新しい車両には”Loop Line”と表示されています。
石畳に路面電車が走る光景がいかにも先進的な都市!って感じで歩くのが心地よい。このような次世代型の路面電車を”Light Rail Transit”、略してLRTと呼んだりします。
富山ライトレール
北陸新幹線を挟んで反対側を走るもう一つのLRT、富山ライトレール。このかっこいい車両は「ポートラム」と名付けられています。
昔ながらの路面電車と違うLRTの特徴の一つは、低床式でバリアフリーの車両。騒音も少なくデザインも洗練されており、「未来の路面電車」という感じです。
ライトレールはもともと富山港線というJRの路線だったものを転用して作られたため、ほとんど道路の上を走らず専用の線路を走ります。利用されなくなった鉄道路線を再生する手法として、一つの可能性を示してくれました。
終点の岩瀬浜駅などではバスと簡単に乗り継ぎができ、徹底的に公共交通の利便性が考えられています。
岩瀬浜
富山ライトレールに乗りがてら、路線の先端の港町「岩瀬エリア」へ足を伸ばしてみては?明治期の古い建物が並ぶ街並みは、かつて港町として栄えた名残が感じられます。
漁船が並ぶ港の奥には富山の風景の醍醐味、そびえ立つ立山連峰が見えました。
ライトレールの東岩瀬駅も、JR時代の面影を感じられる古い駅舎でした。
TOYAMAキラリ
先進的な富山の代表的な施設である、TOYAMAキラリ。「ガラス美術館」という名前の方が有名かもしれませんね。新国立競技場の設計者で日本を代表する建築家の隈健吾が設計しました。メタリックな外観がおしゃれ!
建物はガラス美術館や図書館、銀行やカフェなど様々な施設が入った複合施設になっています。
内装には隈健吾のトレードマークでもある木のルーバーがふんだんに使われていて、柔らかい雰囲気になっています。床の層が少しずつずれて重なっているのも面白いですね。こんなところで勉強したり本を読んだりできる環境にいる人って幸せなんだなぁ~。
富山城
ガラス美術館へ行ったら、富山城へも足を運んでみましょう。歩いても行ける距離ですし、どちらも電停の近くなのでセントラムで移動するのもおすすめです。
お堀の中は広い公園になっていて、のんびり過ごすことができます。
富岩運河環水公園
富山駅から歩いて北へ10分ほど、そこには夜景がとても美しい公園が!海へと続く運河の始点に整備された「富岩運河環水公園」は一見の価値あり!
運河に架かる「天門橋」は公園のシンボル的存在。両端の棟は展望台になっているのですが、営業終了の21:30に間に合わず。。ちなみに赤い光の線は「赤い糸電話」らしい。なんでも恋人の聖地にするのよくない!
そして、「世界一美しいスタバ」と言われる店舗が実は富山にあるんです!なんで世界一?かと言うと、
それは2008年のこと、スターバックスコーヒー社内におけるストアデザインアワードで最優秀賞を受賞したことに起因します。(【2017年の真実】悲報!世界一美しいスタバは既に富山環水公園店ではなかった)
20分ごとに水が落ちてくる「泉と滝の広場」。夜になると滝が流れるタイミングで光に照らされ、とても幻想的な空間になります。
おいしいものを食べよう
一日の終わりは、お酒を飲みながら北陸のおいしい食材を堪能しましょう。今回僕が訪れたのは、富山駅から6分という好立地の「真酒亭」という割烹居酒屋?的なお店。料理とお酒をしっかり味わうために素面限定、禁煙という平和な環境です!
豊富な種類の日本酒を飲める、日本酒好きには超おすすめのお店。僕はお酒めっちゃ弱いんですけど、こうやってちびちび飲めるのはありがたい!
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他にも富山と言えば「富山ブラック」というラーメンが有名ですが、それはまたの記事で紹介しようかと。
まとめ
北陸観光ではなかなか見落とされがちな富山市ですが、先進的で整った街並みを少しでも歩いて見てはいかがでしょうか?きっと住んでみたいと思うはず!
それでは、次の日は砺波のチューリップ!一面のお花畑!