10月14日は「鉄道の日」!それ、本当に”電車”ですか?

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どうも、25歳になったてりーぬです!人生って難しいですね。

はい、本日10月14日は鉄道の日!日本で初めて鉄道が開業した日です。

日本の鉄道史が始まった日にあやかって、鉄道に関するコラムを毎年書いておりますが、この企画も今回で5回目。もう「10月14日は鉄道の日」なのは常識になっていると信じています!

去年は「レールの幅」について書きました。これは我ながら名作です。

さて、今年は「皆さんが日常や旅先で当たり前のように乗っているそれ、本当に”電車”ですか?」というお話をしてみたいと思います。

例えばこの2枚の写真。デザインもそっくりで、どちらも同じ「電車」に見えるかもしれません。しかし、実はどちらかが電車で、もう一方は電車ではありません。

何気なく乗っている鉄道車両にも様々な種類があるので、それも合わせていろいろな角度から違いを見ていきたいと思います!

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電化と非電化

まずは鉄道路線の「電化と非電化」という、設備の違いから見ていきましょう。

電化区間

都市部の鉄道路線のほとんどを占めるのが「電化区間」です。線路の上には列車に送電する架線があり、列車はパンタグラフから電気を取り込むことによって走ります。この架線と電柱が並ぶ光景はよく見たことがあるのではないでしょうか。

奈良県 近鉄橿原線 橿原神宮前駅

当たり前のようですが、電気で動くので「電車」なのです。電車はエネルギー効率や快適性、速度などに優れていますが、電気設備の維持管理に多くのコストがかかってしまうため、運行頻度が低い場所では無駄な設備投資となってしまいます。

新潟県 信越本線 青海川駅

非電化区間

長崎県 大村線 千綿駅

逆に地方部で多く見られるのが非電化区間。線路の上の架線や電柱がないのでとてもすっきりとした印象です。

愛媛県 予讃線 下灘駅

このような非電化区間を「電車」は走ることはできません。見た目は「電車」とほとんど変わらなくても、厳密には「電車」ではないのです。その違いをこれから少しずつ説明していきます。

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動力集中方式(機関車)

次は車両そのものの違いを見ていきます。まずは日本の客車ではあまり見られない「動力集中方式」について。簡単に言うと「機関車」です。

「機関車」と言うと、トーマスのように煙突から煙を吐きながら走るものと思いがちですが、正確には「他の車両を牽引して走る車両」のこと。先頭や最後尾の車だけが動力を持って走るので「動力集中方式」と言います。

蒸気機関車

そのトーマスに当てはまるのがこの蒸気機関車。石炭を焚べて水蒸気の力で動く車両です。最近では全く製造されなくなり、全国で観光用にわずかに残っているだけです。

島根県 山口線 津和野駅「SLやまぐち」

ディーゼル機関車

ディーゼルエンジンで動く機関車がディーゼル機関車。こちらも非電化区間で観光用のトロッコ列車を牽引したり、非電化区間の貨物列車に使われてたりしています。

群馬県 わたらせ渓谷鐵道 大間々駅

電気機関車

貨物列車でよく見るのが電気機関車。「機関車」にも電気で動くものがあるんです。日本各地の電化区間を走る貨物列車に使われていますが、旅客用ではほとんど見ることはありません。

神奈川県 東海道線 根府川駅

動力分散方式(電車と気動車)

ようやく今回の本題である「電車と気動車」の話に来ました!

「動力集中方式」に対して、先頭車両だけでなくいくつかの車両に動力を分散させているのが「動力集中方式」で、普段お客さんを運んでいる「電車」は実は基本的に「動力分散方式」に属しています。

電車

もう大体説明してしまいましたが、電気で動く車両が「電車」です。

「電車」の特徴としては、「パンタグラフがある」「入り口に段差がない」「走行音が比較的静か」などが挙げられます。

広島県 山陽線 横川駅

気動車

では、電気を取り入れることができない非電化区間はと言うと、軽油を燃料にした、ディーゼルエンジンで動く「気動車」が主役になっています。トラックやバスなどと大体同じですね。

北海道 石北本線 網走駅

「気動車」をぱっと見で見分ける方法は「パンタグラフがない」「入り口に段差がある(ことが多い)」などに注目してみてください。また、乗車中の走行音がすごくて、「ゴオオオオォォォ…」という重低音の轟音を立てながら走るのですぐに分かると思います(笑)

佐賀県 松浦鉄道 伊万里駅

電車がない県

突然ですが、徳島県は「電車が走っていない県」だということをご存知ですか?

じゃあ徳島県に鉄道がないのかというと、そういう訳ではありません。鉄道はありますが、電化区間がないのです。

徳島県 土讃線 大歩危駅

電車が走っていない地域では、鉄道のことを「汽車」と呼んだりします。かといって、未だに蒸気機関車が活躍しているわけでもありません。

徳島県を走る列車は例えばこんな車両。これは先ほど紹介した、パンタグラフがなくてディーゼルエンジンで動く「気動車」です。

徳島県 牟岐線 牟岐駅

見た目は都市部を走る「電車」と何ら変わりませんよね?でも厳密には電車ではないから「汽車」と呼んでいる、ただそれだけのことです。

非電化区間を走る新たな車両

車でもプリウスのようにガソリンと電気などの「ハイブリッド車」がありますが、鉄道にも「ハイブリッド車」が存在します。

世界初のハイブリッド営業車両は2007年に投入されたJR東日本のキハE200系という車両。従来のディーゼルエンジンに加え蓄電池を搭載し、鉄道路線で最も標高の高い地点と駅「野辺山駅」がある「小海線」を走っています。

山梨県 小海線 小淵沢駅「キハE200系」

同じく「ディーゼルエンジン+蓄電池」のハイブリッド車HB-E300系が、日本海の絶景を望む観光列車「リゾートしらかみ」として五能線を走っています。

青森県 五能線 千畳敷駅「リゾートしらかみ」

2017年にはJR九州で「蓄電池のみ」で走る車両が登場しました。電池で走るから「DENCHA」というかわいい名前が付けられています。電池の”電気”が動力なのでもちろん「電車」と言えるのでしょうが、架線から電気を取るわけではないので非電化区間も走れるのが面白いところ。

福岡県 鹿児島本線 香椎駅「BEC819系」

JR東海も2022年にハイブリッド車両を導入予定です。このように、鉄道車両も多様化が進んでいます。

岐阜県 高山本線「HC85系」

まとめ

この記事を通して私が言いたかったことは、決して「あれ、この路線って非電化でしょ?電車なんて走っていないよ?」などといちいち訂正しろ、ということではありません。(そんなことをしていたら嫌われます。。)

私が言いたかったことは、自分たちの知らない文化を想像してみてほしい、ということです。都市部と田園地域、山間部ではそれぞれ違う生活を送っていると思います。その違いに対して、都市部の常識が通じないからと行ってすぐに「田舎だ」とバカにするのはどうなんだろう…?という趣旨です。

これは都市と田舎の関係だけではなくて、世の中の様々なことに言えると思います。性別、年齢、国籍、その他色々な属性によって考え方も全然違ってくると思います。

それをすべて「分からない」と切り捨てるのではなくて、ちょっと想像力を働かせてみるだけで、誰もが互いの考え方や生き方を尊重できる、生きやすい世の中に近づく最初のステップになるのではないでしょうか…!

最後までお読みいただきありがとうございました。ということで、引き続きこのブログをよろしくお願いします!

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完全にただの平日ですが、10月のカレンダーにはしっかりと「鉄道の日」を記しております。

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